増えつつある男子の看護学生

男子看護学生の苦労は現場に出ても続きます。

看護師の仕事は重要度を増すばかりですが、働く看護師の数は少なく、どの病院でも看護師不足で悩んでいます。

一方の学生は、不況と関わりなく安心して働ける場所を探しています。

こういう部分がマッチングして、看護師を希望する男子学生も増えつつあります。

では、看護師になろうと思っている男子学生が考えておくべきこととはなんでしょうか。

圧倒的女子の世界

看護学校に入学して、最初に慣れなくてはいけないのは、女子率の高さです。

これはもう入学前から分かってはいたけれども、実際に通い始めてから、それまでとのギャップに苦労したという話をよく聞きます。

具体的に数字を見ても、たとえば名古屋市立大学の看護学部の場合、平成25年度の男女比率は、男子17人に対して、女子は312人。

割合でいえば、男子は約2.1%にすぎません。

学年別にみても、1年生は男子1人に対して、女子81人。

一番男子学生が多い2年生でも、男子10人に対して女子74人です。

地域や学校によって男女比率は変わってきますが、男子学生の割合は、ほぼ10%程度です。

看護専門学校や看護学部に入ったら、その瞬間から女性の世界に入ることになる、と覚悟しておきましょう。

男子看護学生は結束する

といっても、それほど身がまえる必要はありません。

女子学生が多いからといって、男子学生がとくにやりにくいと言うことはないようです。

男子学生と女子学生が、大変に仲が悪くてクラスの協調がとれない、などということは聞きません。

非常に変則的な比率ではありますが、普通の学生同士のつきあいで十分やっていけます。

学生同士で恋愛することもありますし、つきあうこともあります。

ごく普通の学生同士の関係です。

自分を男子学生だと強く意識しないほうが、他の学生との距離をつかみやすいかもしれません。

逆に、圧倒的多数の女子の中にいることで、男子学生同士のきずなが深まるというメリットがあります

学年にかかわりなく、少数派として男子学生が結束しているんですね。

課題についてたずねたり、試験勉強を教えてもらったりと、一般の学生より密接に連絡を取り合っています。

女子学生とはハード面で差がある

学校側も、次第に増加傾向にある男子学生への対応に一生懸命です。

それまでは女子に対してだけ配慮すればよかったのですが、男子学生が入学したので、男子用トイレや更衣室をあわてて準備したというところもあります。

そういったハード面の整備は徐々に進んでいますが、それでもまだ、女子学生との格差は残っていますね。

トイレや更衣室は用意しても、男子学生の寮は難しいでしょう。

すでに女子寮がある学校でも、男子寮を積極的に作るところは少ないです。

今後、もっと大勢の男子学生が継続して入学するという見通しが立てば、男子寮完備の看護専門学校・看護部は増えてくるかもしれません。

しかし現状では、男子学生は細かな面で差があります。

男子看護学生は同じ苦労が職場でも

男子学生が看護学校で直面することは、全部が大変な苦労です。

しかし看護師を目指す男子学生には、あえて「この苦労を受けておきなさい」とアドバイスします。

なぜなら看護学校でのさまざまな問題は、卒業後に男性看護師がする苦労とほぼ重なっているからです。

女性職場の中に少数派として入る、ハード面でも不利益をこうむる。

職場ですから看護師以外の職種(これも女性メイン)とのやり取りも必要です。

患者さんから「男の人じゃイヤだ」と言われることもありますし、男性患者さんから指名を受けることもあります(とくに清拭やおむつ交換です)。

安定+キャリア+やりがい=看護師

こんなにいろいろ聞くと、看護師はやめようかなと思うかもしれませんが、男性の職業としては非常にメリットの多い職種です。

まず、職場が非常に安定している。

いったん看護師になったら職に困ることはありません。

どの病院もつねに看護師が足りませんから、今の職場を辞めても転職先は必ずあります。

さらに入職後の教育体制がしっかりできている病院が多く、管理職へのキャリアを積むルートも確立されています。

お給料はとびぬけて高額ではありませんが、結婚して家族を持っても十分な額です。

そしてなによりも、患者さんとのかかわりあいの中で、たくさんの刺激を受けられる職業です。

ベテラン看護師に言わせれば「看護師は一生勉強」。

常に自分をリニューアルし続けていける仕事って、それほどたくさんはありません。

男性が一生の仕事として選択するには、とてもいい選択肢でしょう。

参考サイト:名古屋市立大学 看護学部・大学院看護学研究科 http://www.nagoya-cu.ac.jp/nurse/1095.htm

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