看護学生の奨学金って?

返済免除のある奨学金を利用するのが看護学生には有利です。

看護師になるには、学費がかかります。

学校によって費用は変わりますが、一番安いといわれる公立の看護専門学校でも3年間で約50万円の授業料です。

これはあくまでも授業料だけで、ほかに教科書代や白衣、実習費用などが加算されれば3年間で約150万円。

これが最低でも必要な金額です。

こんなに多額の学費はムリという学生向けに、各種の奨学金があります。

せっかく看護師になりたいと言う気持ちがあるなら、奨学金で進学してはどうでしょう?

自治体の奨学金は、返還免除がある

看護学生におすすめなのが、自治体の看護師等修学資金貸与事業の奨学金です。

これはほぼ、すべての都道府県が毎年実施しています。

たとえば東京都なら、都内の看護師養成機関に在学中で(看護専門学校でも短大でも大学でも該当します)、将来、都内の病院で働く予定の学生向けです。

毎月の受給額は、在籍している学校が国公立の場合¥32,000、そのほかは¥36,000で、第1種貸与と第2種貸与があります。

第1種貸与は、条件によって返還免除があります。

看護師免許取得後ただちに、都が指定している病院で5年間働くことが条件です。

手続きは書類の提出だけで済みます。

該当する医療機関はたくさんありますので、卒業後の就職先が限定されることはありません。

また、この奨学金を借りたからといって、働いている間にお給料から返還金がひかれることもありません。

ただ自治体ごとに細かい違いがあるので、自分が住んでいるところの奨学金がどうなっているのかを確認しましょう。

病院ごとの奨学金も免除条件あり

看護師等修学資金貸与事業に指定されている病院では、独自の奨学金を出していることもあります。

大きなところでは、国立病院機構(近畿グループ)が年額48~80万円を支給しています。

平成27年度4月の奨学生を募集している病院は、あわら病院(福井市あわら市)が48万円(成績優秀者には72万円)、兵庫あおの病院(兵庫県小野市)は1年生に80万円、2年生からは70万円です。

この金額は年間の支給額です。

国立病院機構の奨学金は、卒業後に貸与を受けた病院へ就職し、奨学金貸与期間を勤務すると返済義務はなくなります。

つまり3年間の奨学金を受けたら3年間働き、2年間の受給なら2年働けば返済しなくてもいいのです。

病院ごとの奨学金を利用することは、学生にとって学費を確保できるだけではなく、卒業後の就職先も同時に確保できることになります。

病院側も看護師不足の解消になり、双方にとって利益のあるシステムです。

日本学生機構は、返還免除がない

学生向けによく知られているのが、日本学生機構支援奨学金です。

看護専門学校だけでなく、大学や専修学校、大学院で学ぶ学生を対象にした、国の奨学金です。

この奨学金は、すべて貸与型。

つまり学生はお金を借りる形で奨学金を受け、就職後に返済するものです。

看護師になっても返還免除制度はありません。

ただし高校在学中から予約採用の申し込みができるので、入学試験の結果を待たずに手続きができるのがメリットです。

奨学金には無利子で借りられる第1種と、低利子(年利3%を上限 在学中の返済は無利子)の第2種があります。

受給できる金額は、無利子の第1種で、3~6万円。6万円は私立学校に自宅外から通っている場合です。

第2種(利子あり)の場合は、3~12万円のうち5種類の月額から選択ができます。

日本学生支援機構の奨学金は、おそらく日本で最も利用されている奨学金制度でしょう。

対象も看護学生に限定されません。

ただし受給期間が終われば、必ず返済義務があります。

看護師を目指す学生にとってはそれほどメリットが大きい奨学金ではありません。

看護学生の利点を使おう

今回は3つのタイプの奨学金をご紹介しました。

ほかにもいろいろな団体が奨学金を出していますが、看護師になろうと言うメリットを最大限生かしたのが、自治体の看護師等修学資金貸与事業と病院ごとの奨学金です。

さまざまな事情で、看護師として、規定された期間の勤務を続けることがむずかしいかもしれませんが、返済義務がなくなると言うのは大きな利点です。

上手に活用すれば、学費の問題で看護師をあきらめることはなくなりますよ。

参考サイト:看護師等修学資金貸与事業 東京都福祉保健局 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/shikaku/syugaku/

滝川市立高等看護学院 http://www.med.takikawa.hokkaido.jp/010gakuin/nyuugakujouhou.html

日本学生支援機構 http://www.jasso.go.jp/houmon_menu/saiyou_02.html

国立病院機構(近畿グループ) https://www.nho-kinki.jp/employment/nurse/scholarship.html

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