看護師の仕事の興味があっても、自分は引っ込み思案だから向いていない、と考えていませんか?
たしかに看護師はきびしい仕事で、社交性や精神的な強さを要求される場面もあります。
ですが、本当に必要な部分は、患者さんに寄り添えるかどうかなのです。
引っ込み思案はマイナスではない
たとえば、とても緊張しやすく人前に出るとあがってしまうという人や、引っ込み思案で会話がうまくない人ですね。
こういうタイプが看護師に向いていないかといえば、そうでもありません。
看護師にとって一番大事なことは、患者さんの様子を正確に観察して、その人にとってベストなケア・看護方法を考えていくことです。
観察をし、論理的に考えていくには、引っ込み思案の性格はマイナスになりません。
それよりは、看護師から患者さんに近づいていく努力が大事です。
患者さんに寄り添うことは、社交性がなくてもできます。
口下手で会話がうまくない看護師でも、患者さんは自分について理解して支援してくれる看護師かどうかを正確に判断します。
これが看護師の仕事の怖いところで、明るく社交的だから患者さんとうまくコミュニケーションがとれるわけではありません。
しずかな環境を欲している患者さんには、そっと見守ることも大事です。
会話が必要だと思ったときは、自分がどれほど引っ込み思案で、会話下手でも患者さんと明るく接します。
こういった判断をするには、患者さんが求めているものを見抜く力が必要です。
看護師として大勢の患者さんに接していると、次第にそれが分かってくるのです。
会話や社交性も訓練次第
看護師の仕事は、患者さんに対して共感性があるというのが、第一歩です。
注射や点滴、採血といった手技(技術)は、後からの訓練でできるようになります。
そして会話力や社交性も、働いているうちに、次第に身についていくのです。
患者さんとのやりとりは、看護師にとって一種のテクニック。
こんな風に言うと「看護師さんの優しさって、本物じゃないの?」と思われそうですが、看護師には理性的な面も必要です。
感情ばかりが先行すると、患者さんや患者さんの家族に入り込みすぎてしまい、距離を見失うことがあります。
そういう意味では引っ込み思案や、社交性が高くない人のほうが適切な距離をとりやすく、看護師として長く働けるといえるかもしれません。
看護師は白衣の天使?
看護師の仕事については、両極端なイメージがあります。
ひとつは、「白衣の天使」。
やさしい看護師さんが、そっと看護をしてくれるというもの。
おそらく映画やドラマのナイチンゲールからきているのでしょう。
実際のナイチンゲールは様々な分野で強さを持っていた女性で、決して天使ばかりではなかったのですが、天使のイメージはしっかりと残っています。
もうひとつは、きびきびと働いて、精神的にタフな人。
活動的で頼りになり、頭の回転が速いというものです。
看護師になりたいと周囲の人にいうと「気が強くないと出来ない仕事だよ」なんて言われることがあります。
実際の看護師は、両方の要素を持ち合わせています。
患者さんに対してソフトなアプローチが必要な時には白衣の天使ですし、多少きびしく対応したほうがいいという時には、タフで強い面を出すことがあります。
患者さんと接している看護師は、どちらがより患者さんにとって有効かを判断して動いています。
これも、看護師が持っている技術のひとつなのです。
働くうちに、できるようになります
看護師の仕事は、やってみないと分からないことがたくさんあります。
どんな仕事でも同じですが、看護師も実際に働き始めてから時間をかけて一人前になります。
働くうちに仕事に必要な長所はどんどん伸びていき、短所は修正されていきます。
せっかく看護師になりたい気持ちがあるのに、性格が向いていないからといってあきらめてしまうのはもったいないですよ。
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