看護師になろうかなと思った時、自分の適性が心配になることでしょう。
しかし看護師に向いていない性格はありませんし、どんなベテランも最初は不安からスタートしたのです。
看護師の仕事はプレッシャーがとても強いものです。
ですがプレッシャーに耐え、仕事を繰り返していくのが大事なんです。
看護師は、なってから育っていく仕事
看護師が特殊な職業だなあと思うのは、仕事に就いてからが本番だということです。
他の仕事もそうでしょうが、看護師はいろいろな業務経験を積むことによって、一人前になっていきます。
病棟看護師でいえば、最初の1年は学生に毛が生えたようなものです。
病棟側も(場合によっては、患者さんも?(笑))、けっして大きな期待はしていません。
大事なのは看護師であることに慣れること、そして看護師らしい物の見方を身につけることです。
看護師らしい物の見方とは、患者さんを正確に観察できることです。
アセスメントといいますが、看護師は患者さんと話して顔色を見ることを通して、その人の全身状態を把握し、小さな異常を見つけます。
これで大きな異常を未然に防いだり、状態が悪化することを事前に食い止めたりできるのです。
アセスメントはベテラン看護師なら、意識せずにやっていること。
無意識のうちに観察できるようになるまでには、最低でも3年の業務経験は必要です。
患者さんにみがいてもらう
自分は性格的に看護師に向いていないと思っているなら、それはまちがいです。
どんな性格の人でも看護師として働けます。
最初は自分に適性がないと思っていても、やってみたら意外と向いていて楽しくなったということもありますね。
これは看護学校時代だけでなく、仕事を始めてからもいえます。
自分はダメな看護師だと思っていても、患者さんから「あなたはここがいい」と教えてもらうこともあります。
自分では気がつかないところが、患者さんにとって長所になっていることもあるのです。
看護師は対人業務です。
人と接しながら働くことは、自分を磨いていくことにもなります。
こういうことは、学校では教えてくれません。
看護師になって、患者さんに接して初めて分かることなのです。
1人の看護師が一人前になるためには、医療スタッフのほか、患者さんによって育てられることも必要なのです。
寄り添う気持ちが大事
自分が看護師に向いているかが、どうしても不安だったら、一点だけチェックしておきましょう。
他の人に共感できる性格かどうかです。
看護師の仕事はとてもバリエーションが豊富です。
いわゆる臨床看護師(クリニックや病棟で働いている看護師)だけではなく、役所や会社に勤務している看護師もいますし、学校で学生に教えている看護師もいます。
看護師の業務がどれほど多岐にわたったとしても、基底になっているのは「相手に寄り添う心」です。
この姿勢がない人は、看護師になったとしても、とても大変でしょう。
看護師の最終目的は、患者さんが治って退院していくこと、あるいは病状が悪くても、安定して過ごせるようになることです。
その目的にいたるまで、弱っている人のそばに寄り添えることが大事なのです。
寄り添う気持ち、というのが抽象的で分かりにくいなら、複数の人の立場でものを考えることができますか?と言い変えてみましょう。
人間は自分の立場だけで物事を考えがちですが、看護師はそれではつとまりません。
時には患者さんの家族の視点から、事態を見直していくことも必要です。
自分の立場を離れると、物事はまったく違った表情を見せることがあります。
自分の視点がすべてではない、という考え方が、他者と近づいていけるコツです。
看護師になりたい気持ちが大事です
一番大事なのは、看護師はなりたいという気持ちです。
これがすべてといっても過言ではないでしょう。
看護師はやりがいがあり、比較的お給料がよく、転職先に困らない仕事です。
一方で重症な患者さんを看護することは精神的にも疲れますし、お給料がいいのは夜勤があって変則的な勤務だからです。
転職先には困りませんが、つねに自分の知識を更新していかなくてはいけません。
決して楽な仕事ではありませんが、それ以上に得られることが多い仕事です。
患者さんが元気に退院すること、亡くなった後も家族の支えになれること、自分自身をつねに向上させることができるなど、メリットもいっぱいあります。
将来の選択肢に、少しでも「看護師ってどうかな」と思ったら、ぜひとも具体的に検討していただきたいですね。
一生をかけてやっても、悔いがない仕事であることは確かですよ。
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