看護師に似ている、助産師になるには

助産師は女性の生活の全般に関わる仕事をしています。また、その需要は大きくなっています。

病院の中で、看護師のようだけど、ちょっと違う仕事をしているのが、「助産師」です。

助産師は、赤ちゃんが生まれる瞬間を助ける仕事。

それ以外にも年代を問わず、女性の心身の健康にとても重要な役割を果たします。

では、助産師になるにはどうすればいいでしょう?

助産師の仕事

助産師の仕事はおおきく3つあります。

妊婦さんへの指導(出産前)、正常な出産の介助、産後のサポートです

助産師と聞くと、どうしても赤ちゃんが生まれる分娩時の仕事ばかりをイメージしますが、それは仕事の一部に過ぎません。

助産師の仕事は赤ちゃんが生まれる前から始まり、妊娠中、出産、産後のママと赤ちゃんのケアまでが含まれます。

とても仕事内容がひろいのです。

助産師になるには

助産師になるには、まず看護師資格がいります。

看護師の国家試験に合格した後、そのまま助産師指定養成校で勉強して、さらに助産師資格の試験に合格しなくてはいけません。

養成校は大学院(2年)、専攻科(1年)、大学別科、専修学校があります。

看護師として働いた後に助産師養成校に入学することもできますし、看護専門学校などを卒業してそのまま入学することもできます。

助産師試験を受験するには、看護師としての業務経験は必須ではないので、学生のまま助産師を目指す人が多いですね。

ほかには、助産師指定養成校として認可された看護大学に入学し、助産コースに入って、4年次に看護師の勉強+助産師の勉強をすることも可能です。

このコースだと、大学卒業時に看護師国家試験と助産師国家試験を同時にうけることができます。

ただし試験勉強も2倍ですし、4年次のレポートや実習も2倍です。

かなりハードな方法で、希望しても学生は選抜制で、5~10人程度しか選ばれません。

出生率が下がっても需要が高い

現在、全国に約3万人の助産師がいます。

しかしこれでは足りないのが現状で、助産師はとても需要が多い。

こう聞くと「日本人女性の出生率が低下するばかりなのに、なぜ助産師が必要なの?」と不思議になりますね。

たしかに、平成23年度の調査では女性1人が平均で出産するのは、1.39人の赤ちゃんです。

平成20年度の1.37人から、ほぼ横ばい。

1人の女性がうむ赤ちゃんの数がどんどん減っているのです。

(※平成27年は1.46と少し上昇しています。)

それなのに助産師がどんどん必要なのは、助産師が不妊相談や妊娠後のケアまで担当するからです。

最近では、赤ちゃんが欲しいのに妊娠しにくい女性が増えています。

また女性の出産年齢が上がり、産後の丁寧なケアが必要なママも増えています。

助産師は女性のライフサイクルすべてにかかわる仕事をしているので、出産率が下がってもつねに需要があるのです。

助産師の職場 病院編

助産師のほとんどは病院で勤務しています。

勤務先は産婦人科や総合病院、大学病院、小児科などです。

病院で働くメリットは、複数の助産師がいるので休みがとりやすいことや、ドクター・看護師もいること、医療設備が充実していることが挙げられます。

実は助産師が単独で出産の介助ができるのは、正常な妊娠・出産の時だけです。

妊婦さんに異常があるケースや、妊娠時から赤ちゃんになんらかのトラブルがあるとわかっている場合は、助産師が何人いても助産院で出産することができません。

リスクが高すぎるからです。

助産師だけの介助で安全かどうかは、妊娠中から産婦人科のドクターが診察して判断します。

こういう理由から、産婦人科ドクターとの連携が取りやすい病院内での勤務をえらぶ助産師がおおいのです。

助産師の職場 助産院編

助産師には、開業権があります。これは助産所を開業することができる権利で、助産師だけが持ち、看護師にはありません。

どんなにベテランの看護師でも、助産師資格がなければ助産院を作ることはできないのです。

助産院にも種類があり9床以下の入院ベッドを持っている助産院もあれば、助産師が妊婦さんの自宅へ出張する形態もあります。

そして最近増えつつあるのが、産婦人科の助産師外来です。

これは産婦人科の中に助産院があるもので、正常妊娠の妊婦さんの妊婦健診を、ドクターではなく助産師がします。

産婦人科ドクターの数が減り続けているので、助産師による検診を希望する妊婦さんに対応するために始まりました。

出産まで問題がない妊婦さんは、そのまま同じ産婦人科で、助産師の介助により出産します。

万が一の場合はドクターが診察・治療できるので、両方のいいところをとった方法です。

世界共通の仕事です

助産師の仕事はとても幅広いです。

病院や助産院以外だと、自治体の保健センターも助産師の勤務先です。

また日本で助産師資格を取ってから、海外で働く助産師もいます。

WHO(世界保健機構)やJICA(独立行政法人国際協力機構)といった国際機関にも、助産師の需要があるからです。

助産師になる入り口は、まず看護師免許です。

助産師になるまでに時間のかかる進路ですが、女性の妊娠・出産は世界共通ですから、一生かける価値がある仕事ですね。

参考サイト:全国助産師教育協議会 http://www.zenjomid.org/

平成23年人口動態統計月報年計(概数)の概況 http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai11/kekka02.html

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