看護師は全員おなじ資格で働いている、と思っていませんか？

たしかにベースになる免許は「看護師免許」か「准看護師免許」です。

これがなければ看護師業務は一切できません。

ですが、働き始めてからでなければ、取得できない資格もあるんです。

認定看護師

認定看護師は、日本看護協会が「特定の看護分野において熟練した看護技術と知識を有する」と認定した看護師です。

特定の看護分野というのは

• 救急看護
• 緩和ケア
• 脳卒中リハビリテーション看護
• がん化学治療法看護
• 訪問看護
• 不妊症看護
• 新生児集中ケア

など、全部で21の分野が決まっています。

ある特定の分野の看護に習熟していることが第一歩なので、決まった分野で３年間の実務研修（実習すべき内容がはっきり決まっています）をやり、それ以外の分野（診療科目）でトータル５年の看護師経験のあることが最低条件です。

そのうえで、認定看護師教育機関で6カ月、615時間以上の教育をうけ、筆記試験（認定審査）を受けます。

いったん試験に合格したからと言って、ずっと認定看護師のままではありません。

５年ごとに更新があり、看護実践と自己研鑽の実績について、書類審査を受けます。

看護師の知識はどんどん新しくなっているので、その分野でのスペシャリストだと認定されるには、つねにアップデートが必要なのです。

もちろん複数の分野で認定看護師になることができますが、ひとつの分野でも認定されることはとても大変です。

専門看護師

専門看護師も、日本看護協会が認定する資格です。

こちらは専門看護分野が11に決められ、この分野の知識と技術を深めた看護師の資格です。

患者さんやご家族に対して、高水準な看護を提供することが目的で、それ以外に、看護職への教育や専門知識向上のための研究活動などをすることになります。

認定看護師とよく似ていますが、受験資格や決まっている特定分野が異なります。

がん看護や精神看護などのほか、在宅医療の分野にも力を入れている資格なので、在宅看護と家族支援が入っているのは特徴的ですね。

専門看護師になるためには、看護師免許プラス看護系大学院の修士課程を修了していることが基本条件です。

そのうえで、日本看護系大学協議会が定めている専門看護師教育課程基準で、きまった単位を取得していなくてはいけません。

専門看護分野での看護師経験は３年以上、それをふくむトータルの看護師経験は５年以上いります。専門看護師の資格も５年ごとに更新です。

特定看護師

なんだか、同じような名前が続きますね（笑）

特定看護師は、医療行為の一部をおこなうことができる看護師資格で、２０１５年１０月から始まるあたらしい資格です。

本来医療行為は、医師しかおこなえないものです。

それが、特定看護師なら限定的ではありますが、医療行為を代行することができます。

ただし、医師の指示のもとであることが前提です。

特定行為は38あり、たとえば感染兆候がある患者さんに臨時の薬剤投与をする、などが認められます。

医師の指示にしたがって、事前に作成された手順書により患者さんの身体状態や検査結果をチェックして、指定された範囲内と確認ができたらおこなえるのです。

非常に実践的な理解力や判断力が必要なので、特定看護師になるのはとても大変です。

基本は認定看護師であること。

認定看護師の資格取得後、５年以上の実務経験が必要です。

さらに指定研修機関での研修を終えてからのことになります。

これから実施される資格なので、どうなるか、活躍が期待できますね。

看護師はつねに勉強

就職してから、こんなに取得できる資格があるとは驚きですね。

看護師の仕事が、どれほど専門性を重視しているかが良くわかるでしょう。

看護師はいったんなったから、もう勉強しなくていいという仕事ではありません。

医療の進歩にしたがって、研修や勉強会などでどんどん新しい知識を取り入れていかないと、患者さんやご家族に水準以上の看護を提供することができないのです。

もちろん認定看護師や専門看護師の資格がなくても、看護師であることに変わりはありません。

看護師免許を持っている以上、基本になる看護技術は共通です。

共通の知識の上に、それぞれの分野の専門知識や技術を上のせしていって、さらにクオリティの高い看護を提供していくことが狙いです。

参考サイト：厚生労働省　http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077077.html
日本看護協会　http://nintei.nurse.or.jp/nursing/qualification/